頭文字・ち

小さきものほど目を凝らし
ちゃんとみつめる人であれ
父の背中と母の教えに
誓うと云えばこそばいけれど

ちをはうような しっこくのやみ
ちをはくような うだるびゃくやに
ちよにとわにと こぶしをにぎり
ちのみごひとり だいてやれずに

千鳥草が橙に溶けている
沈黙を遮る鴉の声が心地よい
朝食の時間に新聞をめくる風は この時期どこも生ぬるかったが
地中海の洒落た碧も 日立駅ガラス越しの碧も 何ら差はなく美しい

千尋という言葉の似合う道を往きたいが
千鳥足でも歩めれば上出来のこの身
ちっともカッコのつかない我が人生だが
地図へとなりそこね続けたいというあまのじゃくは
近頃になっても もっぱら健在なのであった

ちかくでみていたつもりのじだい
ちがうみちでもてをつなぎたい
ちぎれたてがみはかぜのなかでも
ちりばむことばはただのおとでも

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