しぐれ

時雨れても叶わないと知りつつも
汀勝る 秋の夕暮れ
木の葉は嘆きの緋色だ

行く先は見えはせず
生きていく先は聞こえはせず
やがて時が来るのを恐れず
ただ前を向きつつ

明日の空がもしも秋晴れならば
あきらめて帰るのも潔い
明日がもしも時雨ならば
もう少し旅を綴ろう