生きていない時代が懐かしいんです

生きていない時代が懐かしいんです
憧れは昔にしかないのかと問われて
頷くほどではないけれど

歩いたことのない道が忘れられないんです
道幅も土の硬さも
どんな靴音がするのかも知らずに

懐かしい声は
いつだって雑音にまぎれて
初めての懐かしさを
いつまでもいつまでも響かせる

遠い昔の彼方から
忘れられないヘルツにのせて


rich phone / dai-snap!