頭文字・か


Embankment / mrhayata

からだひとつでどこまでも
かじかむ手先の温みのために
変わらぬはずと幼い期待に
顔もしらない理想が泳ぐ

書き留めた日の名前をなぞれば
過去が滲んで今日とつながる
かがやいていればすてきだね
かびが生えても渋いんじゃない
かならずなんてほしくないんだ
かもしれないと騙されたいね

かたちにならないこころがどうして
かなしみばかりをふやすのか
かぜにとばないおもたいきもち
かじのとれないふやけたしたで
かさぶたうずけばつよいつもりか
かどをまがればみえるつもりか

仮面の下に隠しているもの
かぶれちまった涙の跡と
飾りのつもりの濡羽のまつげ
回顧録にも載ってはいない
堅物、名も無き時代に馳せる

帰り道に手をつなぐ
乾きかけてる髪が香る
変わってゆくけど隣にいたい
返しきれないうれしい気持ち

かっこうつかない道を来まして
かっこうつかない道を往きます
勝ちと負けとの狭間に風無し
借りて返して可愛くもない
影も含めばとんとやさしく
霞の衣を纏う背中で


雑文 散文

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