駅前で待ち合わせた五月雨の日の
笑顔が滲むビニール傘越しの君が好きだ、と
偉そうなのは言葉だけで充分である
縁をきっと、わすれない
永遠を疑いかりそめに身を染めるにはまだ早いんじゃないか
得体の知れない気持ちというが気持ちなんてほとんどそんなもの
絵本を描くのじゃあるまいし 土色を避ける事が清潔かい
沿道沿いという言葉が穏やかに響くのは
絵になる背中を知っているから
笑顔の奥歯を噛み締めながら
越流して往くこころの泉
絵空事だけ耳にやさしい
えびすの唄は目に染みるのさ
臙脂の空を仰ぐより
襟を立てたい夕間暮れ
猿猴が月を取る、ってか
枝の隙間で風が鳴る
雑文 散文