帰る日に(仮)

穏やかな川沿いのまち
電車の減速する音
私はまだここにいて
私はただひとり歩く
なくしても探しても
思い出せば暖かい
尋ねてもこらえても
其々のやさしさと知る

いつか帰る日に今日をおくりたい
土砂降りの中で傘を捨てても
いつか帰る日に今日をおくりましょう
たとえば黙りこくっていても聞こえるわ

いずれ還る日に今日を贈るため
ずっと忘れていないよと
筆をとったの


黙りこくっていても聞こえるわ、と
歌う矛盾がただ土濡らす
いまさらいまさら空の碧より
なおさらなおさら海の蒼より
あのね・わたしの・いちばんは


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