ありふれている ことばなら
いまもこんなに しみはしない
うんとむかしに いちどだけ
えいえんが ひびいたきがする
おともないから きこえないけど
かぜもないから さわれないけど
きっとあなたは そこにいた
くにをこえたら せかいがあって
けれどあなたは うちゅうをおよぐ
こくうをみつめて おもいだすのは
さびしさにうもれた いとしさ
しらないふりなら たやすいけれど
すいもあまいも ものたりなくて
せつなにうたう つもりでだまる
それをあいとは よべなくていい
ありふれている言葉なら
今もこんなに沁みはしない
うんと昔に一度だけ
永遠が響いた気がする
音もないから訊こえないけど
風もないから触れないけど
きっとあなたはそこに居た
国を越えたら世界があって
けれどあなたは宇宙を游ぐ
虚空を見つめて思い出すのは
淋しさに埋もれた愛しさ
知らないふりなら容易いけれど
酸いも甘いも物足りなくて
刹那に歌うつもりで黙る
それを愛とは呼べなくていい